23日土曜日、クリスマスシーズン真っ只中でした。ネオンと、ネオンに群がる人間たちがたくさんいました。
私はスクリーンの前に座る1人でした。
映画、とてもよかったです。
本は自分の解釈で画を描いてましたが、映画は監督やスタッフやキャストや複数の人間の解釈が入って、何回もストンと違う形で解釈が落ちてきて、さらに深まりました。
エンディングを歌うVaundyのアルバムは好きで大体聞いてるんですけど、今回の「呼吸のように」は、単品でもいいんですけど、映画とセットでさらにコクがでてます。
めちゃめちゃ高い音階の、多分88鍵盤の限りなく端の方やと思う。クレジットに入った時のピンという音が、泣き声みたいな叫び声みたいな音で、辛くて涙が出そうになります。
私はsuchmosのヘビーファンでWATERというSingleがイッチャン好きどす。
https://youtu.be/lncygpXh01U?si=TwD0CKHF3X2Bet9a
この曲のピアノがほんとに最高なんすよね。似てるなと思ったら、ピアノはSuchmosのTAIHEIが弾かれていたそうです。
なっっっっとく。
私が復活を待ち望んでいるグループ、SMAPとSuchmos。
佳道くんと夏月さんの2人の関係にフォーカスした映画だったと感じました。
これが愛であって欲しいと言うのが
君であって欲しい
これが夢であって欲しいと思うのが
君であって欲しい
吾郎さん(ヒロキ)はいかにも「悪いやつ」という感じでした。大きな流れの中でみると、夏月さんと街中で話したシーンだけはとても「いい人」に見える。地球の留学生たちにとっては、ヒロキがこの地球の「いい人」だからとてもひどい人間だった。吾郎さんはとてもよく演じていたと感じた。
「悪いやつ」、悪くてよかったけど、なお、私は気をつけないといけないなと思う。
人間はだいたい誰かにとっては悪いやつで誰かにとっていいやつだ。
検察はいないといけない、ハンムラビ法典ができたように、この世には基準が必要だ。
だから、吾郎さん(ヒロキ)は必要悪。
役者がほんとうによかったな、みんな狂気を抱えていた。正欲、性欲という狂気、1人で生きられない辛さ、でも1人で生きていかなければいけない寂しさ、何かを愛したい怖さ。カオスを抱えた人間たち。八重子役の女の子、まさに八重子で個人的助演女優賞。
明日を普通に当たり前のように生きていく人間の中で、明日も普通に生きられない人間たち。
本の最後の八重子とよし香のくだり、私たちの無意識のうちに傷ついたり傷つけられたりのくだりがカットされていて、藤原悟の結果もカットされていたから、繋がりを持たなかった人間の末路と繋がることすら許されない人たちの苦境が、対世界ではなく、対吾郎さんという形で描いていたのが、本と違う印象を持ちました。
悪いやつだな、ね、でもそれって、私のことでもあるんだと思う。
今年見た良映画に食い込んできます。