周囲のアラサー女たちがオススメしてきたので、読みました、最初と最後だけ。
全部読めなかったんです。
なので今年の読書数にはカウントしません。
全部読めなかった理由を述べます。
だいぶ、ネタバレしてます。
ストーカーの話が出た時点で、ファンタジーだなこれは、この女は嘘をついているとわかってしまいました。
ポースケにガチのストーカーがいたこと、リアル生活でも脅威に晒されていた私にとって、もう、これは違うなと。
架という39歳独身男性、真実はそんなことしない、と信じようとする姿勢も気持ち悪かった。おめでたいやつすぎる。
それからだんだん真実のお母さんとかチラッと出てきて先の展開が私の中で鮮明に見えて、とてもつまらなく思えてしまって、具に読むことを諦めました。
めちゃめちゃ飛ばして最後を読んでさらにがっかりしました。
大恋愛で〆るんですか、ここまで人の傲慢さを描いておいて、大恋愛とかいう言葉で、好きです、と言う率直な気持ちを受け止めあって、それで結婚式あげて…
まとめ方が綺麗すぎて、驚きあきれてしまいました。この二人、なんて傲慢なの…?善良の部分どこ?
恋愛ミステリというカテゴリらしいので、そういう意味では納得なんですけど、世間がそう持て囃すような内容がここにあったのかな?と思いました。
私は婚活とかしようと思ったこともありましたけど、結局そこまでの熱意がなくて、というか人とのお付き合いが本当に無意味だし苦痛で、やめました。人として未熟なので。
結婚なんてただの人が生きながらえようとするシステムですから、正直条件や違和感さえなければそこに好意や愛なんかなくても、長生きできそう、安心して種の繁栄に努めることができると思えたら結婚すりゃいいと思ってます。
みんなそんな感じで婚活してると思ってたから、なんか最後に大恋愛とか言われちゃって、みんな結局恋愛を伴った結婚をしたいんか?とと思ってなんか、諦め悪くてダサすぎる…とさらに人類に絶望した次第です。
この小説が評価されるのはそう言う部分じゃなくて、誰かと繋がり合うことが難しい社会の中での生きづらさみたいなのが共感できるから、という部分なのかなと思ったんですが、結婚恋愛男女という大前提で描かれてるから私としてはあまりピンと来なかったのかなと思いました。
浅井リョウの正欲の方に私は共感と羨望の気持ちを抱いたので、そういう宗派だったんだと思うことにしています。
好きな人と結婚できたという友人が、好きなタイプじゃない人と付き合うのは大変。この本に関してあまり共感ができなかったと言っていたんですが、なんかそれもあまりピンときてなくて。
好きなタイプだったとて、人とつながり合うことで伴う意味のわからない周囲の人間たちの思惑が絡まり合って、自分の選択がわからんくなっちまうこととか絶対にあると思うんです。
そういう好きな人と付き合って結婚とか、浅い層の話じゃなくて、もっと根本的な人を選ぶことに伴う環境要因的な苦しみ、辛さ、悩みとか、自身の中の覚悟的な意味合いとかの、そう言うもう少し踏み込んだ話なんじゃないかなと私は思うわけです。
こう、結局自分の選択に確実な信念を持って突き進めた2人を羨ましいと思う人たちはおるのかもしれん。そういう悩んでる人たちの後押しになる作品であるなら、確かにいい作品なんだろうなと思いました。
私はまだ結婚とか考えてないし、今はしたいとも思えないし、まだ1人で思想を深めていたいので、そこの人と繋がりたいというのがわからんので、そこの根本的な苦しみとかはまだわからんのですが。
その友人とは傲慢と善良の善良な部分は、鈍感とかじゃないのか?とかいろいろお互いに悪口言ってました。
その後話の流れで、私の最近良かった本を教えて欲しいと言われたのでチェーホフの犬を🐩連れた🐕奥さんを上げたんですが、これって、好きな人と結婚できたから傲慢と善良の2人に共感できなかったという友人のアンチテーゼになるんじゃなかろうかと、喧嘩を売ってしまった気分です。
チェーホフの犬を連れた奥さんは、恋愛と結婚をバッサリと分け切っていて、こう断ち切れない愛と断ち切れない夫婦という狭間で、その摩擦でさらに燃え上がってどうしようもなくなる2人を描いているのがすごく好きだったんですよね。
あれは、2人が結婚してなきゃ成立しない激しい愛なんです。
無味乾燥、子供の存在や夫のステータスなどさらに色々なバイアスがかかることによって、2人はさらに悩み、愛してしまうんです。
という、人間のつくった婚姻制度が、人間の本能を昂らせているというその愉快な事実を感じられることがとてもいいな思って、単純に友人におすすめしたんですけど…
アンチテーゼであることに気づかないかな、とは考えています。
恋愛と結婚は、相対するものであるから、その点うまく割り切れていないと、今後しんどいんじゃないかと思います。
なんて、言いたいんですけど、友人には言えないっすね。
結婚をしたい、じゃなくて家族になりたいが正解であって、
恋愛の先に結婚があるのではなくて、結婚の対極に恋愛があるのではないかと思います。
チェーホフの話だしましたけど、彼の作品、とても好きです。
ロシアの文豪たちを今追いかけています。
ガルシン、好きすぎて短篇の単行本も買ってしまいました。
今度レビューしたいと思います。